三重テレビ『ゲンキみえ生き活きレポート』2022年10月9日放送

名張市井手地区で、今年の7月1日にオープンした『ideca』!
『ideca』は、三重伊賀里山整備活用組合が、地域で獲れた果樹や米を、加工し、販売を行う、いわゆる6次産業として作ったカフェスペース。
店内では、朝どれの果物を販売するほか、果樹を加工したジャムやドライフルーツ・グラノーラなども販売しています!
またカフェでは、季節の果物をスイーツするほか、特製のスコーンなども提供、地元だけでなく、滋賀県や奈良県などからも多くの客がやってきます!
名張市井手地区の耕作放棄地となっていた所を果樹園として再生させ、また地域の人々の協力を得ながら、地域に貢献・還元しようとする『ideca』の取り組みを紹介します!!

こちらは名張市の井手という地域です。
今回は農業従事者のみなさんが地域と連携してはじめた素敵な取り組みをご紹介します。
それが、今年7月1日にオープンした『観光農園ideca』です。
なんと!
屋根に草、というか芝生が生えています。
素敵ですね!

 

オープンしてまだ2ヶ月少しということもあり、木の良い香りがします。
『ideca』のスタッフさんに、この施設についてお聞きしました。

「『ideca』では井手地区にある果樹園で収穫したフルーツや、組合で作っているお米などを販売しています」

 

この朝採れたばかりのいちじく。
それぞれの品種にラベルが付いています。
こちらで採れるいちじくは、なんと20種類!
日によって、時期によって、いろいろな種類のいちじくが販売されています。

 

こちらは『ideca』で収穫されたお米の量り売り。

「こんなふうに量り売りすると、大人の方にも喜んでいただけます。
3kgほど購入して、米袋に入れて帰られる方が多いですね」

 

他にもさまざまなジャムやドライフルーツ、収穫された果実・米の加工品なども販売しています。
それにしてもひとつひとつがおしゃれですね!

 

カフェスペースは、窓から田園風景を望むことができます。
備え付けの薪ストーブは、冬になると実際に使われるとのこと。

 

こちらでは『いちじくのテイスティング・プレート(水切りヨーグルト・クリーム蜂蜜つき)』をいただくことができます。
このときは6種類のいちじくがありました。

 

さらに、果樹園の実りを閉じこめたジャムを、お店特製のスコーンで味わうこともできます!
この日はいちじくのジャムでしたが、ブルーベリーやミックスベリーのジャムになることもあるそうですよ。

 

「今日、初めて来ました。
入った時に木の香りがとてもして、素敵な場所だなと思いました」

「私たちも、今日初めてです。
イチジクがとても甘いのと、アイスクリーム美味しかったです」

この日、始めて来たお客さんたちにも好評です。

 

女性に大人気の『ideca』。
運営しているのは『三重伊賀里山整備活用組合』です。

「当初は米や果樹を作るという1次産業だけでしたが、より多くの人に楽しんでいただくため、加工の2次産業と、販売・流通の3次産業で6次化を目指し、カフェを始めました。
コンセプトは2つ。
一つは『記憶』です。
いろいろな人のいろいろな記憶が重なって『文化』というものができていくと思います。
記憶を通して『里山文化』を作っていきたいです。
もう一つが『ギフト』。
大切な人にこれを食べてもらいたいという気持ちを広げていったら、良い場所ができると思うんです」

と、『三重伊賀里山整備活用組合』の小林茂典さん。

 

カフェから上がった果樹園です。
とても立派な果樹園ですが、できたのはそれほど前ではありません。

「ここは10数年前までは耕作放棄地になっていました。
新たに入植し、最初はそこを整備し直してお米を作っていましたが、耕作放棄のため水の施設などが使用できなくなっていました。
その後、薬草・漢方に切り替えたところ、やはり水問題が難しく、7〜8年ほど前から果樹に切り替えて設備を整えているところです」

と、『ideca』スタッフの増井摂さん。

耕作放棄地を利用しての果樹の栽培。
『ideca』は地域の課題を解決する取り組みでもありました。

 

カフェの横にある加工場では、朝採れのフルーツを乾燥機にかけてドライフルーツにしています。
半日から1日かけて乾燥させて完成。
加工の工程でも大切にしているのは鮮度のようです。

 

こちらではお米を使ったお菓子、『ポン菓子』作り。
『あきたこまち』や『ひとめぼれ』など、いろいろな種類のお米を使っています。

 

みんなで作った農産物を美味しくおしゃれに、そして無駄なく食べてもらう仕組みづくり。
果実や米を作ることによって、そしてお店に人が来ることによって地域に貢献、還元できる仕組みを『ideca』はつくろうとしています。

 

「こういう施設を作ることによって、地区が少しでも活性化していってほしいですね。
そのために、地区としても最大限協力しようと考えています」

と、駐車場案内をするスタッフ。

現在、『観光農園ideca』は、米づくりで6名、果樹で3名、店舗スタッフで5名、そして地域のみなさん7名にも参加してもらって運営。
名張の新たな観光拠点となるべくがんばっています。

 

「テイクアウトした果物を、散歩しながらヤギを見ながら上がって来てもらって、一番上で食べながら、この景色全体を体験していただけると嬉しいですね。
名張や伊賀などの地元の方だけでなく、県外からも足を運んでいただいてます。
今後は果実狩りなどの体験も含め、施設と施設の加工場、カフェ、物販などをより連動して運営していきたいです。
すでに地元の方の助けてもらいながら進めていますが、雇用も含めて、より一層、地元の方の協力を得て、みんなで里山を守っていけたいですね」

と、小林さん。

『ideca』では、今後、収穫体験や、ワークショップを開催予定!

いちじくのシーズンはあとわずか。
次は柿と、柿を使ったスイーツが登場です!